彼女志願!2nd
その日の夜、ごはんを食べて、お風呂に入って、ダイニングテーブルでお茶を淹れる穂積さんを見ながら、私は「いまか、いまか」と話すチャンスをうかがっていた。
何を話すかって……そう。
相瀬先生の「お狐陰陽師!」のノベライズのこと。
穂積さんがただの恋人だったら「こういう仕事の依頼があったんだー」ってさらっと言えると思うんだけど
デビューからずっとお世話になっている翡翠社の担当編集だから「さらっと」は難しかったりして……。
「萌、ジャム入れますか?」
「はい、お願いします」
「無花果のジャムを貰ったんですよ。編集長の奥様の手作りだそうです」
「へぇー……色がきれいですね」
カップにジャムを落とし、そこにあつあつの紅茶をそそぐ穂積さん。