陽だまりに猫



少しだけ、また『彼』のことを
遠くに見た気がして、胸を焦がす。


その時、きゅ、と絡まった私の手。


莉央は小首を傾げながら私を覗き込んだ。
その距離も、僅かに胸の奥を熱くさせる。


『行こ?』

「うん…」


繋がれた手は、ゆらゆらと揺れていて、
私たちの関係みたい。なんて思った瞬間に
とても、不安になった。


不安で、怖くて、どうしようもなくて、
伸びた腕の先にいる莉央に無性に
縋りつきたくなる。


…素直じゃない私がそんなこと
できるはずはないのだけれど。


だけど。少しだけ、少しだけ



甘えてみてもいいかな。


『…かーわい』

「うるさい」


繋いだ手を握り返してくれる温もりに
ひどく泣きそうになった。




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