期限つきの恋
第一印象が悪かったのは本当。

「こんな田舎に来たくなかった」
ってオーラを全身で語っていたもの。

2009年。今から3年前。

挨拶をしようと前にあなたが現れたとき、
華やぐ女性社員の中で、私は1人、あなたが心底怖いと思った。
あの瞳にとらえられたら最後、
私は私でいられなくなる…。

一生懸命目をそらそうとしていたのに、ふと顔を上げた瞬間、あなたとしっかり目が合ってしまった。
その予感が正しかったかどうか、
私はのちに身をもって知ることになる。


私たちの会社は、事務備品を取り扱う商社。
東京に本社があって、あとは地方に20支社あるから、そこそこ規模は大きいのではないかと思う。

私は静岡支社に勤める、今年4年目のOLだった。生まれも育ちも静岡で、この会社も、家から徒歩圏内で通える距離。
実は高校の時から、この会社で働くのを目標にしていた。

短大を卒業してから、最初契約社員として勤めはじめ、去年の4月にようやく正規社員になることができた。

仕事内容はいつも変わらないルーティンワーク。
経理に携わるようにもなってきていたけれど、
私にはとても気楽で、波ひとつ立たない平凡な毎日を過ごしていた。



< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop