ガラスの靴をもう一度
「だって、そうだろ?まさか、それで帰ったわけじゃないよな?」
「そんなわけ…」
ないとは言えない。
あの場がいたたまれなくて、帰ったのは間違いないから。
黙り込んだ私に、雅貴は呆れた顔を向けた。
「ったく。くだらない事で、突っ掛かるなよ。萌らしくないぞ?」
くだらない事なんかじゃない。
私には、大事な事だよ。
それなのに雅貴は、それを分かってくれないの?
「私らしくって何?」