ガラスの靴をもう一度
涙のキス


「え…?萌ちゃん、今何て言った?」

「私、川上くんと付き合う…」

雅貴と縁を切られて、私なりに出した結論。

まるで、川上くんに逃げている様に見えるかもしれないけれど、ううん逃げてるかもしれない。

だけど、彼が私を真剣に思っている以上、私も彼を真剣に考えたいと思った。

「本当に…?って聞くのも変だけど」

「うん…。好きな人がいるって、話したばかりなのにって思うよね?」

ぎこちない笑顔しか向けられない私に、川上くんはいつもの優しい笑顔を向けてくれた。

「ううん。むしろ、俺を使って欲しいくらい。彼を忘れる為に、俺を使ってよ」

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