Kiss Kiss Kiss
リビングへ降りて行くと 朝陽さんが
中庭を見ていた。


私は近づいて行ってその背中に顔を埋める。

「ごめんね 驚いただろ・・・・。
今 きみにどういう順序で話そうか
考えていたんだ。
もっと違ういいかたで 話すつもりだった。」

「朝陽さんに必要なのは
私じゃなくて母に似た私なんですか?」

「夕日ちゃんは夕日ちゃんだよ。
真澄の言葉に傷つけてしまったけれど……
信じて欲しい……。」

「私を愛していますか?」

「うん……
夕日ちゃんにそばにいて欲しい……
年も離れてるのに 早く年をとってしまうけれど…
きみがここに来てから
少しづつ自分が変わって行くのがわかっていた。
だけど…恋をする資格なんてないって
思ってたから……それなら見守って
そして俺の手から幸せにしてくれる男に
手渡そうと思っていたのに……
いつの間にか 愛し始めていた……。」

さっきまで
私の心にあった暗雲が晴れて行く……


「母は……愛人だったんですか?
私の父親を知ってる?」

「星子さんも親父に人生を支配されてきた。
それでも強く真っ直ぐ前を向いている
強さに惹かれて行った……。
俺はそんな彼女をあの地獄から救い出す
ヒーローになりたかった……。」

朝陽さんの背中で
母の過去を知った・・・・・・・。
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