金曜日の彼女【完】

決意

―龍太side―



決めた――。

自由になるために。


――――――…


――――…


「仁が――会いたいらしいのよ」

あの日、アイツはそう言った。

仁―――…

俺の実の父親の名前。



初めてそれを知らされたのは高校に合格した直後。


母親が女優のSEIKAで、父親はその専属カメラマンの作本 仁。


なんだ、それ!ぶさけんなっ!!

今さらいったいなんなんだ―――…。

「ごめんね、龍太…ずっと黙ってて…。でもお前ももう15になったし…それに変なところから知らされるよりは…私の口からって…」

ずっと母さんだと思っていた人が…実は俺のばあさん…。

――…あのときもマスコミが水面下で動いていて、いつバレるかわからない状態だったと、あとで知った。


だけど…―――だからって…。


ずっと変だとは思っていた。

俺の姓は竹内、だけど母さんは木下。

なんでだろうってずっと疑問に思っていた。



そして初めて会った母親は俺とそっくりな顔をしながら…だけど冷めた瞳を俺に向け

「たまたま仁が父親になっただけ」

そうぬかしやがった。

じゃあ…俺はいったい…。


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