金曜日の彼女【完】

思い出の・・・

龍太が決めたこと――…。


作本さんの籍に入ること。

実の父親の元へ――…。

できるかどうかわからないって龍太は言ったけれど…。

そうなればいいな、と祈る。



でも―――…

高校にはもう戻らない、と。


「…じゃあ…他の高校に…行く…とかは?」

「…まだ…決めてない…」

そう言いながら私の髪の毛をくるくると指に絡ませながら遊んでいる。

「―――…いつになったら普通に…会えるの?」

思わず…聞いてしまった。

そんなの…きっと困らせるだけだってわかってるのに。

「―――…ん!」

突然のキス。

――…なんだか…ごまかされた気分。


また…まだ、私は待たないと…ダメなのかな。


―――――…

―――…

“待ってる――…”

“――…うん、だから――…だよ?…約束”

“約束”


―――…なに?

いきなりフラッシュバックした――幼い頃の自分と…誰かとの記憶――…


約束――…?


どんな…約束を?誰と?


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