金曜日の彼女【完】
~♪♪♪~

「携帯…鳴ってる」

有紗が半分呆れ顔で私の携帯を見ている。

「ハハ…ちょっとごめんね?」

反対を向いて電話に出る。

「もしもし…龍太?」

『あ、琴葉?お前さ…クリスマスなんか予定入れた?』

「ク、クリスマス!?」

チラリと有紗を見れば、それだけで納得したように“ご勝手に”そう口パクしていた。


「……」


『琴葉?もしかして、なんか予定入れた?』

「あ、ううん。大丈夫。予定はないよ」

『じゃあ、イブ空けとけよ』

「イブ?…うん、わかった」

『じゃあ、また詳しいことは連絡するから』


―――――…

「カラオケは中止ね」


ニヤニヤしながら私を覗き込む有紗に

「…会える…のかな」

「は?だってクリスマスの約束したんでしょ?」

「うーん…イブは空けとけよってそれだけで…特に会うとかは言ってなかったような…」

「なによ、それ。普通空けとけってことは会うってことでしょ」

「―――…そう…だよね?」

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