金曜日の彼女【完】

抵抗

―――――…ドンドンドン


「琴葉!!開けてくれ!」

ドアを激しく叩く音が部屋中に響き渡る。

さっきまでの静寂が

嘘のように―――…。


「いや!」

「琴葉…」

「絶対に…いや!帰って!龍太なんか…もう帰って!」

「琴葉…頼むよ…開けてくれよ…」

龍太の苦しそうな声に耳を塞ぐ。

すべての世界を遮断する。


どうして―――…?



――――――…

――――…


「ごめんって…どういう意味?」


どうして…謝るの?

「うん……」

次の言葉に躊躇している龍太に

「…俺が話そうか?」

そう作本さんが声をかけている。

そんな作本さんの問いかけに首を横に振る龍太。


私の心臓はさっきからギシギシと音を立て続けている。


なに?なんなの?

声にならない叫び。


< 230 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop