金曜日の彼女【完】
―――――…

チュン―…チュン―…


「…ん…」

小鳥のさえずる声と、カーテンの隙間から射し込む光で目を覚ます。


ふと、横を見れば

龍太の顔がすぐ傍にあってびっくり…。

まだ、ぐっすり眠っている龍太―――…。



昨夜の自分を思い出すと、恥ずかしくて思わず龍太に背中を向けた。


――――…


まだ信じられない…。

私…龍太と…

だけど、腰から下の重みがそれは夢じゃないと言っているようで

余計に恥ずかしくなる。




布団に潜って1人もそもそとしていたら。

「んん――…琴…」

龍太の手がスッと前に伸びてきた。

「キャッ!――…龍太?」

そっと頭だけ振り返るとまだ目は開いていない様子。

そのまま抱きしめて

「うーん…」

背中に顔を擦り寄せながら

そのまま、また規則正しい寝息が聞こえてきた。



身動きとれなくなってしまったけれど


もしかしたら…この温もりも今日が最後なのかもしれない――…。



だって龍太は


来年の春には


―――――遠い空の下。



自分の道を夢を探しに

行ってしまう。



自由の国


アメリカ―――N.Yへ。


< 242 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop