金曜日の彼女【完】
電車がゆっくりと減速していき、目的の駅に着いた。

あ…―――。

「…ここ」

「ん、行こっ」

私の腕を掴んで歩き始める龍太。


でも―――…。

どうして…ここなの?

この場所は……。


「琴葉?疲れた?」

ずっと俯いたままの私を心配そうに覗き込む。


「…ううん…大丈夫だよ」

だけど―――

どうして…この街なの?



あのときと同じ道。


コンビニ。


ラーメン店。


ファーストフード。

公園。



どうしてここなの?


ここは私の悲しい思い出の街。


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