金曜日の彼女【完】
幼かった私達。


一度目のさよならをしたあの日。


“バイバイだね…ことはちゃん”

“ゆうたくん…もういなくなっちゃうの?”

“うん。ここにはもういないよ”


“もうここには帰ってこないの?”

“ぼくにもわからない…”

“じゃあ、ことはまたここに来るから”


ここに来ればまた、会える。

そう信じていたあの頃。


いつ戻ってくるかなんて

幼い私にはわかるはずもなかった。




「…何回もって…どうやって来たんだよ…」



「――…うん。お母さんは…そういえばここにはもう誰もいないからって…一度も連れてきてはくれなかった」


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