金曜日の彼女【完】
けれど

龍太は決して本音を見せない。

束縛もするな。

嫉妬もするな。

詮索するな。

会うのは月曜日だけ。

そして―――極めつけは…キスはしない。


それって…彼女じゃないよね。

そう思いながらも私は龍太の条件を受け入れた。

そして私はそれ以来、束縛したい思いも、嫉妬も全て隠し、龍太の前では物分かりのいい大人の女を演じている。つもりだ。



キスはしない。だけどセックスはする。

なんて勝手な男?

そう思いながらどうしても彼から離れることができないでいる。


――…――


「龍太、そろそろ食事に行こうか」

「いらねー」

「え?」

いつもなら…このあと必ず一緒に食事に行くのに…。

「どうしたの?具合でも悪い?」

彼のおでこに手を当てようとした。

パシン――…

その手は払いのけられた。

「…ウザいよ、ユカ。たまたま腹が減ってないだけ」


そう言って私を睨む。

「そう…わかったわ」

そう言うしかなかった。


今日の龍太は機嫌が悪い。

そう感じた。

こんな龍太を見るのは、初めてだった。

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