金曜日の彼女【完】
「……んん…」

首をめいいっぱい横に振る。

口を塞がれているせいか、うまく息ができない。

キスさえしたこともない私にとって、こんな風にされることはもちろん初めてで


なのに――…初めての感覚。

戸惑いながらも感じる感覚。


「…ん……ん」

いやだ…怖い――

どうなるの?

フッと胸が軽くなる。

と、思ったらそこにあった手がゆっくりと下へ下りていく。

え!?うそ!――…いや!

スカートの中に入ろうとする手。


その時――――


ガラガラ―――


ドアがゆっくりと開き、数名の生徒が入ってきた。

その途端、口を塞いでいた手が離れ、一気に空気を吸い込む。


「ゲホッゲホッ」

むせている私に向かって

「大丈夫?」

優しそうな声で背中を擦りながら


耳元で


「…――浮気は許さないよ?」

そう囁かれた。



グラリと

世界が揺れた感覚がして、私は意識を手放した―――…

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