初恋



「さっきとは全然違うなぁ」




あたしに笑いながら話しかけて来たのは、

お兄ちゃんのお友達の准くんだった。





「あ、准くん。」


「めっちゃ怒ってたんだぜ?

それなのに沙奈ちゃんが来た瞬間これだよ」

「准!うっせぇぞ!!

沙奈、早く着替えて来い!風邪ひいちまう」





「うん・・・そだ、悼矢さん」

「ん?」



「わざわざ、あたしの所まで来てくれてありがとうございました!!」


「いーよ。つか、さっき感謝されたばっかだし。


あんま気にしなくていいよ」




あたしはそんな悼矢さんにもう一度ペコリとお辞儀をして着替えに行った。




悼矢さんの笑顔は、お兄ちゃんみたく安心するものだった。















お兄ちゃん・・・











―そっか、あたし悼矢さんのこと


お兄ちゃん見たいって思ってたのか・・・























自分の気持ちに整理が付いたので、

前よりも心が楽に感じた。
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