初恋
んー・・・
「沙ぁ奈!」
あたしの隣にいたお兄ちゃんが
あたしに声を掛けてくる。
「何?」
「ずっと考え事してっけど、分からない問題とかあんのか?」
「う、ううん!」
「そー?解んなかったら絶対聞くことな!
悼矢とかめっちゃ勉強出来るし!」
確かに考え込んでたのは認めるけど・・・
でも勉強で悩んでるんじゃないんだよ・・・
はぁと1つため息をついて
あたしは斜め前にいる悼矢さんを見る。
悼矢さんは、人参だけ残してたな。
もしかして人参が嫌い??
・・・そう言えば、
あたし部員全員の好き嫌いとか把握してないや。
「悼矢~!!」
真剣に勉強をしていた悼矢さんに
話しかけに行く渡邊先輩。
あたしは悼矢さんの事をずっと見ていた事に気づく。
あたしったら悼矢さんの事見過ぎ・・・!!
持っていた教科書で顔を隠す。
「ここの問題なんだけど・・・」
分からない問題の質問をしている渡邊先輩の声が聞こえる。
チラッと2人を見ると、
楽しく話しながら2人で問題を解いていた。
あたしの心はズキンズキンと痛み始める。