とっておきの恋
「この女、何するんだよ!!」


河辺くんが追いかけてくる。

あたしは旧校舎の廊下を必死で飛び跳ねて外を目指す。


やだ、つかまりたくない。

怖いよ。

怖い。

誰か、助けて!




しかし、セーラーの襟を後ろからつかまれた。


「残念だったね。逃げ切れなくて」



河辺くんが満足げな微笑みを浮かべていた。



そのとき、あたしの目にはもう一つの影が映っていた。
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