小さな小さな恋物語
「佑希! 何をしんみりした顔をしてるのよ」


いつの間にか亜依があたしの席まで来ていて、溜め息混じりに言った。


「そんな顔してないよ?」

「してるわよ。そんなにも嫌? 智流君と離れるのが」


さすが亜依! ばれてらっしゃる。


苦笑いで亜依を見ると納得した顔であたしを見つめた。



「それじゃあ、今から智流君のところでも行く?」


「ふへ?!」


亜依のとんでもない発言に変な声を出してしまう。


そりゃあ、今はHRが終わって自由時間だけどさ。



「変な声だしとらんで行くよ」



そう言って、亜依はあたしを引きずりながら智流君のクラスである6年2組へと向かうことになった。



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