小さな小さな恋物語
家に着くまでいろんな話をした。


小さい時によく遊んだ遊びとか、なんの教科が好きだったとか、初めて出来た友達とか本当にいろんな話をした。


そういう懐かしい話をしているとすぐに家に着いてしまう。

時間を忘れて話し込んでしまう。



「もうマンションに着いちゃったね」


智流君は残念そうな顔した。


「本当だね」


今日で会うのが話すのが最後なんだ。

いまさらだけどそう実感してしまう。


「それじゃあ、またね」


智流君はそう言ってあたしの元へと去っていった。



あまりにもあっけらかんとしてたから、呼び止めることさえ忘れてしまっていた。


『またね』



その言葉が心に残った。


またねっか。


ということはまた次も会えるってことだよね?


次に会えるまでにこの感情をわかってなきゃね。



智流君の後ろ姿を見ながら、そう思った。





[小学生編 完]
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