小さな小さな恋物語
「おまたせ」


リュックサックを背負った智流があたしに声をかける。


その声に小さく「キャッ」って叫びをあげてしまった。


「その対応ひどくない? まあいいけど…
じゃあ行こうか」


あたしの手を掴んで歩きだした。


ちょっと!? この手はなに?


初めて繋いだわけじゃないのに恥ずかしかった。
心臓が激しく鳴り響いてた。


「佑希? どうかしたのか?」


心配そうな顔であたしの顔を覗き込む。


「うひゃ!?」

そのことがびっくりして今度は変な声を出してしまった。



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