小さな小さな恋物語
「そんなのは俺がくまタンが好きだからに決まってるだろう。
名前はあんなに可愛いのに目がギロリとしてて…
あんな可愛いのを皆はなぜ嫌うんだろうな」


どうやら智流君もあたしと同じでくまタンが好きなようだった。


「そんなに好きなら、このキーホルダー、あげようか?」


「えっ!? いいの?」


申し訳なさそうな声なのに目はきらめいていた。


あたしは、本当に好きなんだなってランドセルからキーホルダーを外しながら思った。


「このキーホルダー、もう一つあるから
はい。これ」


智流君にさっき取り外したキーホルダーを渡した。


「ありがとう」


智流君はキーホルダーを大切そうに受け取った。


「くまタンがそんなに好きなら、今度ウチ来る?
あたしの部屋にくまタングッズがたくさんあるから」


「マジ!? それは行きたい。つか、行かせてもらいます」


ニッコリと微笑みながら智流君は即答した。


あたしも智流君の真似してニッコリ笑った。



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