君色【完】

傷の記憶








拓人と付き合って2ヶ月。


これまでなんの問題もなく、ただただ幸せな日々を送ってきた。
放課後、あたしたちは決まって短いデートをする。

拓人はあれでも高校3年生。受験生だというのに、「少しでも絵梨と一緒にいたいから」と言って、あたしの学校の正門であたしを待ち、家まで送ってくれる。


それが嬉しかった。

もちろん、その嬉しさと一緒に“申し訳ない”という感情もあらわれる。





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