君色【完】
───スゥッ...
突然、物音1つもなく病室のドアが開いた。
「...あ、こんにちは」
「こんにちは。...今日もありがとうね、絵梨ちゃん」
「いえ...」
颯太と同じ色の髪の毛をした、颯太のお母さんだった。
やわらかい笑顔であたしにそういうと、ベッドで眠る颯太の傍に寄ってきた。
「...元々は、あたしのせいなので」
「絵梨ちゃんのせいじゃないわ。自分を責めないで」
「......ありがとうございます」