君色【完】







「漢字とかわかんないから、たちばなさん打ってよ」

「あ、はい...」



言われるがままに名前を打っていく。
そのときに、無意識に下の名前も入れてしまった。



「...絵梨......」

「え?」

「立花 絵梨って言うんだね」

「え、なんで下の名前...」

「だって入れてくれてるもん」



ほら、といってみせる彼。

その画面には、たしかに“立花 絵梨”と表示されていた。



< 80 / 277 >

この作品をシェア

pagetop