君色【完】
放課後。千恵ちゃんに別れを告げると、急いで学校を出た。
「きゃー!みてみて、あの人かっこいい!」
「誰?彼女待ちとか?」
「えー、ちょっと残念...」
「颯太くん並みじゃない?」
「えーないない。颯太くんのほうがかっこいいよー」
「好みは人それぞれでしょ」
靴箱の付近では、そんな声がちらほら聞こえてきた。
...かっこいいって、もしかして拓人?
じゃないよね?
イケメンじゃないし...。
...颯太のほうがかっこいいもん。