闇
友達
7組の教室のドアを開け、無言で自分の席に座る。
鞄を机の横に掛けて、教科書を取り出しながら、私は溜め息を ついた。
入学式から1週間が経った。
でも私は、念願の友達が、まだ作れていなかった。
(高校デビュー、失敗したかな……。)
生まれ変わりたかったからこそ、誰も私を知らない、遠い高校を選んだのに。
結局、引っ込み思案な自分の性格を直せず、自分から話し掛ける事が出来ずにいた。
……クラスメートと会話してなくても解る。
私。
クラスの お荷物、だよね……。
でも、お荷物なのは――。
私は、ちらっと後ろを見る。