My Sweet DRAGON
溜め息とか、せっかくの誕生日…いや、誕生日とか関係無く辛気臭いことこの上ない。



床でドンジャラを囲む3人、田中・佐々木・鈴木のテンションも、いつもの半分以下。いつもは適当に片付ける牌を、黙々と綺麗に順番に片付けるだけならまだしも、田中なんてUNOで器用にトランプタワーを作り出す始末。



でも、教室中がこんなヘビーな空気になっているのには、もちろんちゃんとした理由があって。『サヨナラアタシのセブンティーン』ってことで、ちょっぴり切ないなぁ…なんて感じだったり、皆がアタシより先輩になって、ちょっぴり、いや、たいぶ寂しいなぁ…なんてのもあるけど、そんなのよりなにより、一番の理由があって。それは…



「失礼しまーす」



「っ!」



来た。ヤツが来た。



「またテメェかよ」



「芹奈サン。迎えに来ましたっ!!」



「って、シカトかよっ!」



「あっ、鈴木サン!皆さん!こんにちは!」



「はぁ…」



そう。同じクラスのメガネヤロー。アタシのパシリ…いや、彼氏である水下 龍樹のお迎えの時間…いやいや、放課後デートの時間が迫っていたからだ。

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