恋するplants

私はターゲット?



 ★


 失恋したからというとダサイけれど、ミディアムロングだった髪をばっさり切った。


 何か自分の中で踏ん切りをつけたかった。


 ショートボブにするのは初めてで首に触れる髪が少しくすぐったい気がする。


 通学路では知ってる顔に会うこともなく、昇降口へと向かう。


 いつものビンボウ草の悪戯を軽く受け流し、教室へと向かう。


 「おはよう」


 扉を開いて教室に入る。


 それまで楽しそうに会話をしていた女子のグループがちらりとこちらを見、また何事もなかったように話始めた。


 ・・・私、今、無視された?女子のグループの中に楠がいた。


 アイツ、何か余計なことを言いふらしたな・・・最悪。


 ため息をついて、席に座る。


 「いい気味だよね」


 ぼそぼそと話す声が聞こえてくる。


 1年の時の経験から地獄耳になったみたいだ。


 「自分が一番かわいいと思ってるもん」


 「紫苑様に白根くんに小石川、男は全部、自分のものだって思ってるんじゃない?」

 
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