恋するplants


 ★


 桂さんと会った経緯から今日までのことをわらびに全て話した。


 花火大会の日の夜のことを話している時に、わらびは眉をしかめたけれど、何も言わずに黙って聞いてくれた。


 桂さんに抱きしめられたのを檜に見られたときのことを話すとき、思い出してまた涙が流れてきた。


 わらびがタオルを渡してくれて涙を拭った。


 全部話すと、わらびは何か考えているのか2人の間に長い沈黙が訪れた。


 怒ったかな?檜のお兄ちゃんと浮気しちゃうなんて最低だと思ったよね。


 わらびの表情をじっと見つめる。


 「で、きのこの今の気持ちはどうなの?ひのきんと別れてお兄ちゃんと付き合いたいとか・・・」


 それはないと首を振る。


 「確かに、檜と比べると桂さんといる方が楽だったの。色んなところに連れ出してくれるし、年上だから、ちゃんと女の子として扱ってくれるし、檜は最近ずっとバイトばかりで寂しかったの」


 「それで、ひのきんのお兄さんと?」


 「1回だけ。その後は、何回か遊びに行っただけで・・・」


 「でも、お兄さんで寂しい気持ち埋めてたんだよね?お兄さんもきのこのことが好きなら、もしかしてひのきんからきのこを奪おうと・・・」


 「それはない・・・と思う」


 2人の仲を引き裂くつもりはない、そう言ってた。

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