恋するplants

3時間目



 ★

 
 「合コン?」


 「そう、明日なんだけど、どーしても、人数集まらなくて。茉雪さんが参加してくれると嬉しいんだけどな~」


 大学2年、夏休みが近づいている日だった。


 午後の授業を終えて、帰り仕度をしていると、同じ授業を取っていた女の子に声を掛けられた。


 麻田千草(あさだちぐさ)。


 派手な格好をしていので、教室で目立つ女の子だったけれど、同じ授業を何個か取っているので面識はあるが、話をしたことは1度もない。


 なので、話かけられたのにびっくりした。


 「何で、私を?」


 「茉雪さんって美人で目立つし~、表向きは合コンだけど~、飲みを兼ねて~茉雪さんと仲良くなれたらな~って思って~」


 何でいちいち語尾を延ばすんだろう?向かいの席に座り、頬杖をつきながら私を見上げる麻田さんを見る。


 付けまつ毛すごいなぁ。


 ふと関係ないことを思った。


 「私、あんまりお酒強くないんだけどなぁ・・・」


 断ってもいいだろうか?話とか合わなそうだしな。


 でも、断ったら陰で悪口とか言われちゃうんだろうか?あぁ、何で今日は秋川来てないんだろ?秋川がいたら、困ってる私を目ざとく見つけてくれて、用事つけて逃がしてくれるのにな。

 
< 328 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop