恋するplants


 「このまま親密になれば、ちえりにも高校生の彼氏が?」


 きゃ~と騒ぎ出す2人を必死で抑える。


 隣の男子学生はイヤホンを付け出した。


 うるさくてすみませんと思いつつ、そろそろよもぎさんのいる駅だなと窓の外を眺める。


 いつもの通りの時間にいつもの駅に着き、今日も反対側のホームを眺める。


 いつもと同じいつもの朝の風景・・・




 「お~~い、ちえりちゃん~」


 向かいのホームから聞こえる声に顔を上げれば、檜さんが私に向かって大きく手を振っていた。


 周りの視線に照れつつも、小さく手を振ると檜さんの隣にいたよもぎさんも小さく手を振り返してくれた。


 ・・・嬉しすぎる・・・よもぎさんも今日はコートを着てる。


 いつもとはちょっと違う朝、発車ベルが鳴り扉が閉まっても、向かいのホームで私に向かって手を振る2人を窓に張り付きそうな勢いでいつまでも見ていた。


 

 「日曜日に柏のサッカーの練習試合があるんだって」


 放課後、教室に残っていつもの3人でおしゃべりをしていると、柏からのメールが届いた。


 「柏ってよもぎさんの弟くん?・・・私たちも行っていいの?」


 エリカが目を丸くする。

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