恋するplants

師走



 ★


 「で、今度の日曜に僕が茉雪の彼氏のふりをして一緒に遊園地に行って欲しいってワケだ」


 「そうなの。お願い」


 お昼時の大学内のカフェテラスは生徒でごった返していた。


 授業の後、茉雪が珍しく僕をランチに誘った。


 僕の目の前のプレートには1日限定15食のスペシャルランチであるビーフシチューとデザートのキャラメルプリンが置かれている。


 何にかある。


 そう思った僕の直感は当たり、茉雪は席に着くなり、両手を合わせて頭を下げた。


 どうやら、茉雪は偶然会った知り合いに、彼氏がいると嘘を吐いてしまい、じゃあ、彼氏も含めて遊園地に行こうかという風に話を進めてられてしまい、収集がつかなくなってしまったらしい。


 悩んだ挙句、僕に彼氏のふりをお願いしたってことだ。


 「池見先生と連絡取ってたとは知らなかったな。高2の時のイケメン教育実習生だよね?」


 偶然会った知り合いというのが僕らが高校2年の時の教育実習生である池見先生だった。


 何かとつけて茉雪のことを違うクラスの僕に聞いてきたイケメン先生だ。


 たぶん茉雪のことを気にいってたんだと思ってたけど・・・


 「うん、ちょっと、麻田さんと行った合コンで偶然会って・・・」


 「え?合コン行ったの?しかも麻田さんってギャル系の子だろ?仲良かったっけ?」

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