恋するplants

水色のワラオ



 「え?檜さんのバイト先に1人で行ったの?」


 「うん」


 掠れるような声を発してエリカは机におでこをのせた。


 「女子中学生が1人でラーメン屋に行くなんて、勇気あるね・・・」


 ゆかりが励ますようにエリカの背中を擦る。


 「で、見ちゃったんだ。檜さんの彼女・・・」


 エリカが頷き答える。


 言葉はない。




 エリカが檜さんのバイト先を訪ねると(檜さんのシフトは確認済みだったらしい。私と違ってすごい)偶然、檜さんの彼女が友達と食べに来てたらしい。


 「友達はね、ゆかりみたいにぷっくりした人だったんだけど・・・味噌ラーメンを大ライスで食べてたし・・・」


 「それ、今、関係あるの?」


 ちょっと怒り気味のゆかりをまあまあと抑える。


 「彼女、すごくかわいい人だった。肌が透きとおるように白くて、笑うと両方のほっぺたにエクボが出来てね。指なんかも細くて超キレイで・・・」



 どんだけ彼女見てたの?っていうくらいエリカは細かく檜さんの彼女について述べた。


 机につっ伏してるので表情まではわからないけれど鼻声なので、泣いているんだろう。


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