恋するplants

よもぎさんの彼女と私



 3学期が始まった。


 相変わらずの毎日で、変わったことといえば寒くて、毎朝起きるのがしんどいくらいだ。


 放課後、私は駅ビルの中にある本屋にいた。


 毎週金曜日は茶道部に所属しているゆかりとエリカの部活がある日で、最近では2人の部活が終わるまで時間を潰すして、3人で帰ることにしている。


 私も茶道部に入ればいい話だけれども、すでに私はお茶の苦さに白旗を
あげてしまっている。


 抹茶が苦手なのだ。


 以前は先に帰っていたのだけれど、帰れない理由があった。


 柏と同じ電車に乗るのが怖かった。


 毎週金曜日に××駅の近くにあるスポーツセンターのスイミングスクールに通っている柏は5時台の電車に乗って帰る。


 なんとなく最近はその辺の時間を避けてしまっているのだ。


 柏とはまだ連絡を取ることができていない。



 店内をぶらぶらしていると知っている顔とばったり会ってしまった。


 パーマのかかった淡い茶色の長い髪。


 小柄でかわいいよもぎさんの彼女だった。


 彼女も私のことを覚えていたらしく、どうもと頭を下げた。


 「・・・よもぎさんの彼女さん?」


 
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