恋するplants


 俺はおじいちゃん先生の話を聞くのは好きだったが、ゆったりとした口調と度々脱線する授業で生徒たちからは寝れる授業と言われている。


 退職するのか・・・ちょっぴり残念だ。


 「で、今年で書道部も廃部になっちゃうかもしれないからって、みんなの進路も決まったし、部長さんが何か記念になることをしたいって言っててね」


 廃部・・・うちの高校は部員が5人以上いないと部として認められない。


 それに、指導者の先生がいないならなおさら部の存続は無理な話だ。


 「そしたら、白樺先生が話をつけてきたみたいで、3月に市民会館の広場で開催される桜まつりに野外イベントとして出演することが決まったの」


 区民会館の桜まつり?3月にそんな祭りが近くであることすら知らなかった。


 有名な祭りなんだろうか?


 「人手が足りなくて、丸太さんに手伝って貰うことになったんです」


 突然、お豆くんが喋り出したのでびくんとしてしまった。


 まだ彼の発する声に慣れない、そのうち、「ギョギョ~」と言いそうな
雰囲気だ。


 「白根くんも一緒にやらない?」


 「え?俺が?」


 思わずきょとんとしてお豆くんに注目してた目線を丸太さんに向けた。


 「何で?」


 「字が上手じゃない」

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