君との約束~陸上指切りげんまん~
不意に呟いた。
『私、海が好きー・・・?』

「りっ利歩!?そっそうなの!?」

「ああああ!!何でもないよ!」

今さらごまかせなか。
無念だ。

「利歩?」

「ごっごめん!!」

「なっ何が!!」

「私。分かんないの。海のとこ好きかもしれない。走ってる時とかすっごい見ちゃうんだ。前、千夏が海のこと好きって言う前からドキドキしてて。千夏に嫌な気持ちさせたく無いし、その時はまだ、好きって気付いて無かったみたいだし。」

「利歩・・・」

ああ、気付いた。

「私。海が好き・・・・」

今さら。

今日、どうしてあんなに海は心配してくれたのだろう。

今日どうして部室に来てくれたんだろう。

頭の中が海のことでいっぱいだった。
多分、これが“好き“ってことなんだろう。

「・・・」

やっぱ怒ってる?

そうだよね。
応援するって言った奴が好きになって馬鹿だね。

「ごめん・・・・」

「・・・よ」

千夏が笑った。

どうして?

「利歩が海くんのこと好きってずーっとわかってたよ。」


え。


「えええ!?」

意味がわからない。

夜の10時を回った私の部屋におおきな『えええ!?』と言う声が響いた。
近所迷惑だったかもしれない。

「意味わかんない!!」
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