君との約束~陸上指切りげんまん~
「なあ。利歩。」

「何?空」

「千夏が読んでたぞ。部室で待ってるって。」

「ああ。わかったありがとう!!」

浮かない表情で空は。

「喧嘩したの?」

「え?」

なんでみんな喧嘩、喧嘩言うのか?
私にはよく分からなかった。

「何で?」

「だって千夏なんか、利歩が嘘をついたから。とか。」

「は?」

嘘をついたから?私が?

「何したんだ?利歩」

「ごめん!ちょっと行ってくる!」

私はグランドに海と、空を残し部室へと走った。



部室の中にはハードルをおりたたむ千夏がいた。

「千夏?」

「利歩ー・・・」

くるっとこちらを見て、笑顔ではにかむ千夏。
少しドキドキしたが理由を聞いた。

「何ー・・・?」

「利歩は言ったよね?私のこと応援してくれるって。」

「うん。言ったよ。」

千夏の声が震えた。

「じゃあ何で、海君と約束するの?」

「約束ー・・・?」

「私知ってるよ。何を約束したのか分かんないけど。二人が指切りしてるところ。」

「えっー・・・」

昨日の掃除の時の約束だった。

「あれはー・・・」

「私が信じなきゃ、よかったんだ。」

私をキリッと睨んで。


「裏切り者ー・・・・」
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