二度目の片思い
そうまくし立てて、私は両手を振った。

じっと、彼は手元の紙袋を見つめた後。

いつもの、胸があたたかくなる笑顔を浮かべた。



「……そっか。藤咲、ありがとな」

「う、ううん」

「ありがたく、受け取っとく。藤咲も、元気で」



そう言って越田くんは、踵を返す。



「──それじゃあまた、卒業式にな」

「……うん。また、卒業式に」

「ああ。ほんとに、サンキューな。藤咲」



校舎の角を曲がって、彼の姿が見えなくなる。

私はしばらく呆然と、その場に立ち尽くしていて。



「……う、うぁ……っ、」



ボロボロ溢れだした涙が、地面にシミを作る。

意気地なし。あまのじゃく。

何度も何度も、自分を責めて。

私の約2年間の片思いは、そうして、幕を閉じた。
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