二度目の片思い
彼は緊張したように、1度息をつくと。



「……俺のこと、ずっとすきだったって、本当?」



さらりと彼女の髪を撫でながら、そう言って顔を覗きこんだ。

瞬間、彼女の顔が、カーッと赤く染まる。



「え、なっ、わ、私昨日、そう言ってたの?!」

「……うん」



神妙な顔で頷く和晴に、彩音はもう、穴があったら入りたい気分だ。

実際、掛けられていた布団を引き上げて、半分ほど顔を覆ってしまった。



「……ねぇ、藤咲?」

「~~ッ、」



甘えるような声音で、頬を撫でられて。

ようやく彩音は、観念したように、視線を落とした。



「……うん、すき。ずっと私、越田くんのことが、すきだったの」



ああ、5年前のあの日どうしても言えなかった一言を、こんな状況で告白することになるとは。

恥ずかしさに耐えながら、ちらり、和晴に視線を向ける、と。



「──ッ、」



彼は、とびきりの笑顔で、自分のことを見つめていた。

そしてそのまま、ぎゅーっと苦しいくらいに、再び抱きしめられる。
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