あなたのギャップにやられています
「冴子さん、残業増えてごめん」
雅斗が私の前にアツアツのコーヒーを差し出してくれる。
「あっ、ありがとう。私も楽しんでやってるから気にしないで」
こうやって気を使える彼は、私と違って敵を作らないタイプだ。
きっと雅斗の私生活を覗いたら、皆びっくりなんだろうけど。
いつもとは違って砂糖の入っているコーヒー。
疲れている私への気遣いがまたニクイ。
「美味しい!」
いつもは煮詰まっていて、強い苦みを感じることもあるけれど、これは美味しい。
「淹れなおしましたから」
「えっ、ごめん」
そういうのは多分私の仕事だ。
だって彼らとは違ってデザインの才能のない私は、裏方に回るしかないし。
それに、もともとデザイン部に私が配属されたのは、事務仕事などの雑用係としてだと思う。