あなたのギャップにやられています

『なにもできないアシスタント』


その言葉は私を思いっきり切りつけた。

でもね……すぐに怒りをあらわにしてくれた雅斗のお陰で、今のあなたの言葉がストンと胸に落ちたんだよ。

たったひとり……きっと雅斗はそのひとりなの。


営業の間で、給料泥棒なんて陰口を叩かれていることも知っている。
だけど、やっぱりこの仕事が好きだから。


「深谷さんにもらった仕事は、全うしようね、雅斗」

「おぉ」


にっこり笑った彼は、颯爽と歩きだした。


印刷工場に行くのは、私は初めてだ。
工場長はなかなかの頑固者だという、もっぱらの噂。

郊外にある工場は、さほど大きくは見えないけれど、すごい数の印刷を請け負っているのだとか。

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