あなたのギャップにやられています

「俺としては納得していない。
冴子をこんな形で別のところにはやりたくない」


部長の言葉に泣きそうになる。


「昨日、営業と揉めたのか?」

「――はい。
揉めたといいますか、森川さんの資料が紛失して、私が失くしたと言われましたので、それは違うと」

「それだけか?」

「はい。結局部長のデスクの上で見つかって、解決したのですが」


部長に昨日のことを説明しながら、ゴリラの憎らしい顔を思い浮かべた。


「はぁ」


部長が大きなため息を吐きながら、机の上で手を組む。


「今回の件、全く理解できなかったから人事に探りを入れたんだ。
そうしたら、営業のゴリ押しらしくて。
通常、他の部署に口出しするなんてこと通らないんだが……可知という男がどうも重役の甥っ子らしくてな」

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