あなたのギャップにやられています

彼のシャツをギュッと握る。

何度も自分の奥にある汚い気持ちに嫌気がさし、それでも頑張ろうと持ち直し、またなにかのきっかけで落ちていくことを繰り返してきた。
だけど、雅斗の言葉を聞いて、なんだかもう大丈夫な気がする。


皆そうなんだ。
嫉妬もすれば時々毒も吐きたくなって……でもそれが人間っていう生き物なのかもしれないって。


「雅斗」

「ん?」

「雅斗に話してよかった」

「だろー」


頼りになる男。
彼がこんなに大きな器を持っているなんて、なんだか儲けものだ。
かわいいだけの男よりずっといいじゃん。


「じゃあ、天使とシよ」

「はっ?」

「もう逃げられないから。何回お預け食らわせるんだよ」


絵の具だらけの手で頬をゆっくり撫でられると、ゾクッとしてたちまち胸が高鳴る。

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