あなたのギャップにやられています

黒くたっていいじゃない


「おはよー」


あんなに激しく抱き合ったのに、驚くほど元気な雅斗に圧倒される。
目をゴシゴシこすりながらリビングに行くと、予想通りテーブルの上に立派な朝御飯が用意されていた。


「今日は洋食で攻めてみた」

「攻めるって……」


彼の言い方がおかしくてクスクス笑うと、椅子を引いてくれる。


トーストとベーコンエッグ。
トマトとキャベツのサラダにはカイワレまで入っている。
そしてフルーツの入ったヨーグルト。

そういえばあの丘の帰りにスーパーに寄って、雅斗はたくさん野菜をカゴに入れていた。

お肉が大好きな私に、少しでも野菜をと頑張ってくれているんだ。
こういうことって、普通、女の私がすべきことだよね。
ま、いいか。


「キャベツ残したらダメだから」

「えーっ」

「ドレッシング手作りしたんだぞ」

「えーっ、ドレッシングって自分で作れるの?」

「知らなかったの?」


キョトンと私を見つめる雅斗は、しばらくしてケラケラ笑いだした。

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