あなたのギャップにやられています

ずっとずっと好きな人


それから私は、画廊「星からの手紙」で働き始めた。
この名前が気に入ったのも、ここに来た理由のひとつだ。

「星からの手紙」という店名は、あの丘から見えた星が、雅斗のメッセージを伝えてくれるような想像を掻き立ててくれて、本当に素敵。


働き始めてすぐに百合ちゃんがやってきて、堀川さんに一目ぼれしたようでとても困ったのは、まぁ、誤算だったけれど。

堀川さんの絵のチョイスは、まさに私好みだった。
その絵から強いメッセージめいたものを感じるものばかりが、画廊に並んでいた。


私は雅斗のことを思いつつ、イケメン堀川のフェロモンに満足して、婚活もやめてしまった。
こんな素敵な人と一緒に働けるなんて、もうお腹いっぱいだ。

もういいや。一生独身でも。


画廊の仕事は、それはもう楽しかった。

デザイン部にいたころの仕事も楽しかったけれど、ここは堀川さんが仕切る画廊だから、基本的にタブーがない。
自分が良いと思った画家の絵を販売するのが堀川さんのモットーだったから、全く無名の学生の絵だって、ビビッときたら個展を開くこともあった。

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