あなたのギャップにやられています


「ちょっと、冴。最近冷たいじゃない」


久しぶりに百合ちゃんに連絡してリアンに向かうと、第一声から叱られる。


「だって忙しいもん」

「忙しいなんて言って、堀川さんと一緒にいたいだけでしょうが」

「あー、それもある」

「ちょっと!」


そう言う百合ちゃんだって、用もないのに画廊に顔を出しに来るじゃん。
あれは絶対、堀川さん目当てだよ。


「冴は雅斗君なんでしょ?」

「うーん、どうかな」


雅斗の消息は、あの賞を取ってから作られたホームページで知ることができるようになった。
更新頻度は低いけれど、日本語版もあったから、今までは全くわからなかった彼の活躍がわかるようになって、とてもうれしかった。


「そういえば、見た? この間の更新」

「うん」

「あれさー、絶対……」

「いいから、もう」


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