あなたのギャップにやられています
そんなことがしばらく続いたけれど、俺がすべてを拒否していたら、皆も飽きてきたようだ。
「できた」
いつの間にか、イギリスに渡って半年が過ぎていた。
ようやく満足いく作品を描き上げたとき、あまりの疲労で倒れてしまった。
俺を心配してくれた仲間が「雅斗の魂が抜けちまった」と笑ったほどだ。
その絵は、冴子の裸体だった。
日本にいるときに、彼女をモデルにして一枚描いた。
だけど、それはまだ完成されていない気がして、イギリスで再び描き始めたものだ。
今度はモデルの彼女はいない。
だけど、ウエストのくびれも、みずみずしく透き通るような肌も鮮明に思い出すことができたのだ。
そして、アーチボルドさんは俺の絵を見て、「画家の誕生だ」と最大の褒め言葉をくれた。