ブラッディ トゥ ナイト

《不協和音》


事件が発生してから、既に何日か経っているから、見張りは配置されておらず、黄色いテープが張られているだけだった。

日付が変わる時間帯は人通りが少なくなる場所なので、僕らは周りを気にせず、黄色いテープをくぐった。

誰かに目撃されたとしても、警察手帳を持っているし、上には適当に言っておけば問題ない。

狭い路地を2人並びながら歩いて奥へ進む。

第一発見者の小倉は見当たらなかった。

さすがに殺人現場になった場所には、好んで住み着かないだろう。

「お前、どこまで無計画なんだ?犯人はどうやって連れて来る気だ?」

血痕が少し残る地面を見下ろす。

僕たちが先に来ては意味がないだろう。

< 86 / 379 >

この作品をシェア

pagetop