蕾は未だに咲かないⅠ
日向君だ。
けど何故か彼は、あたしと目を合わせた途端に苦々しい顔をする。不思議に首を傾げると、日向君は御膳を置いた。
そのまま戻るのかと思ったら、違う。少し強張った顔で、日向君は口を開く。
目の前の料理は、相変わらず少し豪華で美味しそう。
「逃げ出すとかやめとけ。」
「………?」
日向君の真意が読み取れず、あたしは黙ったまま彼をじっと見つめる。
“逃げ出すとかやめとけ”
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